千葉県産科婦人科医学会Chiba Association Of Obstetrics And Gynecology

千葉県産科婦人科医学会Chiba Association Of Obstetrics And Gynecology

当医学会について

千葉県産科婦人科医学会とは

開かれた産婦人科医療を目指して

当医学会は千葉県の産婦人科医をメンバーに、平成12年5月に設立されました。

千葉県の産婦人科医療を開かれたものにしていくため、母子の健康増進を目指す日本産婦人科医会千葉県支部と、産婦人科学の進歩発展を目的とする日本産科婦人科学会千葉地方部会という2つの会が一体となって、さまざまな事業に取り組んでいます。

これからも常に一歩進んだ医学・医療の実現を目指す当医学会に、どうぞご期待ください。

ごあいさつ

千葉県産科婦人科医学会
医会長
  水谷 敏郎

 このたび千葉県産科婦人科医学会の医会長に選任された水谷 敏郎(船橋市)でございます。よろしくお願い申し上げます。

 当医学会は、医療の充実、発展を図ると共に中央情報や関連する諸問題の解決に努め、より良い医療や社会福祉の増進や予防医学に寄与を目的とする活動団体です。

 医学は日進月歩、その結果治療成績が良好になった反面、高度医療の治療中に技術不足による不幸な事故が発生しています。また遺伝診断による予防的治療や移植技術の進歩や免疫学の発展により多くの人が助けられています。内視鏡下手術の技術も進化し、その結果治療効果が著しく向上し早期退院を可能とする時代となりました。

 さて、先日のイギリスのEU離脱により世界各国に不安・動揺が広がっています。それに伴い国内では円高・株安による景気の圧迫や後退が生じ、給与の昇給や豊な生活に陰りが出るのではないかと憶測され、さらなる不安を与えています。一方人口問題として超高齢化社会となり(65歳以上が日本人口の25%)・少子化による労働人口の減少により産業力、経済力の低下や年金問題が社会問題になっています。

 周産期では、産婦人科医のベテラン医師は引退し、中堅所の医師は疲労のため退職したり、過労死をしていますし、このような状態では若い医師が育ちずらい環境となり、産婦人科医の減少と共に、分娩施設の減少、人口減少に伴う地域差などで分娩を中止したり、そのような地域ではお産難民が起こるのではないかと心配されています。さまざまな難しい問題を抱える今、皆さまの英知と協力のもと、産婦人科の発展や良い社会の構築のために協力をお願い致します。これからも皆さまと共に地域医療に貢献してまいります。

 尚、今問題となっている新専門医制度については2017年度の全面実施が見送られ、見直しが決まりました。母体保護法指定遵守違反、周産期が充実、不足している心のケア-・人間関係であり、産後1年未満の自殺(妊娠中は妊娠2ケ月目と産褥期では3ケ月4ケ月が多い)を予防するための精神的ケア・妊産婦メンタルヘルスに関する教育研修、産婦人科と精神科の連携、DV被害や性暴力被害支援、妊産婦の母体救命の心肺蘇生術の研修、母体安全のための10則(バイタルサインの変化、後産期出血、ショックバイタル、FFP投与、肺血栓塞栓症の予防、羊水塞栓症の対応、PIH・HELLP症候群、救急医学、母体救命、妊産婦死亡時の対応)の普及、再婚禁止期間の改正に伴う医師の証明書、平成29年度からの出産育児一時金等の直接支払制度における専用請求書提出先の変更等新しい情報を発信していきます。 最後に、心身障害児の為のおぎゃー献金に賛同・ご協力御願い致します。

      千葉県産科婦人科医学会
学会長
  髙野 浩邦

 先の令和4年度千葉県産科婦人科医学会総会で、学会長にご指名頂きました慈恵医大柏病院の高野浩邦です。
 歴史ある本医学会の学会長をつとめさせていただく重責に、身の引き締まる思いです。

 2020年2月はじめに外国船籍のクルーズ船が日本の横浜港に寄港中、乗客内にCOVID-19の感染者が確認され、さらにその船内で集団感染が発生したニュースが報道されて以来、医療に限らず生活のすべてが激変しました。virusのようなナノメートル単位のサイズの相手が、地球規模で一気に広がっていく様相に世の中が震撼する中、産婦人科を取り巻く環境も未曾有の変化が求められました。周産期はもちろんのこと、ワクチン接種、良性疾患、がん検診、そして悪性腫瘍、あらゆる分野で新しい常識が必要とされました。

 そして、今、第7波が始まろうとしています。この間に、ある分野では状況が落ち着き対応も身についてきています。例えば、full PPE で PCR検査をする事は、多くの産婦人科医にとってさほど大変な作業ではなくなっていると思います。一方で、今後も改善に注力が必要と思われる分野も見えてきました。周産期の領域もその一つだと思います。コロナ陽性の妊婦さんを無事に出産まで診ていくためには、今まで以上に開業医さんと高次施設との密な連携が必要とされます。千葉県では現在、周産期領域を中心としてSNSを用いてリアルタイムな受入状況の情報共有を始めていますが、受け側のキャパシティにも限界があることも事実です。普段から尚一層の連携強化に努めていきたいと思います。

 また、千葉県には大学関連や地域の基幹となる病院も多く存在し診療の特徴も様々ですが、その多くが地理的に東京との交通のみ発達していて、相互の連携が難しかったのも否めません。しかし、コロナ禍の思わぬ副産物としてオンラインでの交流手段が格段に発達しました。新しいコミュニケーションツールを味方につけ、今まで以上に密な情報交換を図り、患者さんにより高度で均一な医療を提供できる環境を作っていけたらと思います。

 本医学会会員の先生方には、お一人お一人の力を存分に発揮していただけるよう、そして、県民の皆様には安心して産婦人科を受診していただけるよう、非力ながら尽力してまいりたいと思います。なにとぞ御指導の程よろしくお願い申し上げまして、ご挨拶の言葉とさせて頂きます。